室井栄蔵商店

起業家紹介【株式会社リックリグ 代表取締役 古川 和政】

トータルシェアサロンで美容業界の「幸せ」を追求。





高校時代に先生や友人と部活動を創設。

 小・中学校時代から生徒会活動や部活動に励んできた古川さんは、『福島県立安積黎明高校』へ入学します。男女共学となって間もない頃のこの高校には中学校で経験してきた男子のバレーボール部がありませんでした。無いなら作ればよいという発想で、先生や友人を巻き込み男子バレー部を創設します。何とか部員を集めて大会に出場するも2大会連続での最下位。悔しさから顧問の先生に熱血指導を志願して徐々に強くなり、最終的には県南地区の上位校となり県大会に出場できるまでになりました。 その後、地元愛が強い古川さんは『福島大学』へ進学します。これまでやりたいことを実現してきた順風満帆の少年時代でしたが、この頃、弟さんの大病や、幼少期よりとても可愛がってもらっていた曽祖母の死が重なり、「時間には限りがあること」、「やりたいことができる環境のありがたみ」など感じ、将来の「起業」を考えはじめました。キーワードは「若者とシニアをつないだ幸せ」。卒業後は7年間会社員として社会勉強をし、2020年7月、29歳で起業し、同年9月に郡山市名郷田にシェアサロン「ラテ(latte)」をオープンさせます。



やりたいことを実現したときに“気持ちよさ”を感じる。

-幼少期から目立ちたがりの積極的な少年だったのですか?

目立つことが好きというわけではなかったです。人と一緒に何かを実現することに何故か“気持ちよさ”のようなものを感じてきました。そういったものを味わいたくて自ら立候補して生徒会副会長を務めたり、部活動でも部長を任されたりということは多かったかもしれません。結果的に多少目立つことをしてしまっていたのかもしれませんが・・(笑)。そういったことがエスカレートして高校時代に男子バレーボール部を創設してしまうということにまでなってしまいました。最初は大会に出場しても最下位が続きましたが、顧問の先生や仲間にも恵まれてどんどん強くなっていきました。人の縁にもとても恵まれていたと思います。



家族に起きた出来事で考えが変わる。

-大学時代に古川さんは起業を考えはじめますが、「若者とシニアをつないだ幸せ」という目標はどのような経緯で生まれたのですか?

まず、大学時代に弟が大病を患います。弟はその後回復して今では元気に過ごしていますが、当時は命の危険もある病気だったので、家族で弟を支えながら「命」や「時間」ということについて考えさせられました。また、ちょうど同じ時期に幼少期からとても可愛がってもらっていた曾祖母が亡くなりました。曾祖母は高齢だったため会いに行っても私のことが誰かわからないということもあり、それが辛くて亡くなる前には会いに行く機会が少なくなってしまいました。“アクティブシニア”という言葉がありますが、長生きしても健康的な寿命が長くないと幸せではないのではないか?と考えはじめました。シニアの方々は知識や経験が豊富で色々なことを若者に教えてくれます。自分自身がもっと曾祖母に積極的に会いに行っていれば・・・という思いもあり、これからの時代は若者とシニアの接点を増やしてお互いに幸せになるべきではないか・・・。漠然とですが、そんなビジネスを作りたいと思い始めました。



3年で辞めると宣言しての入社。

-起業を決意していたのに、卒業後に会社員を選んだのは何故ですか?

社会経験が全くない状況での起業は考えていませんでした。世の中のことを何も知らないので、まずは就職をしようと思いました。何故か昔から地元愛が強かったので、地元で人と接することができる会社がよいと思い、株式会社ダイユーエイトに応募しました。一代で会社を大きくした朝倉社長の経営にも興味がありました。ただ、最初の会社で経験を積むのは3年と決めていたので面接時に「3年で退職します。」と宣言しました。面接担当は役員のかたでしたが大変驚いた表情をされていたのを覚えています。後日、無事採用の通知書が届きました。今思えば、懐の深い会社だったと思います。この会社ではお客様宅までの商品運搬や時にはドアノブなどの修理作業といった色々な経験をさせていただきました。お客様は圧倒的にシニアのかたが多く、シニア世代の色々な話や考えを伺う機会にも恵まれました。今では想像がつかないと思いますが、この頃の私は真っ黒に日焼けした細マッチョでした(笑)。



美容室150店舗の新規開拓を達成。

-本当に3年で退職し、その後リクルートへ入社されたのは何故ですか?

起業のためにマーケティングの知識や経験を身につけたいと思ったからです。ダイユーエイト退職の半年前から情報収集をしていたところ、当時、「ホットペッパービューティー」を全国的に拡大させていたリクルートが各地で求人募集をしており、郡山営業所でも募集があったため応募しました。郡山営業所では私を含めて2名が採用となりました。入社後は広告掲載店舗の新規開拓、開拓した店舗の集客コンサルタントというのが主な業務でした。厳しい上司の指導や研修のおかげで比較的早く新規顧客を獲得することができました。その後、3年8ヶ月ほどこの会社にお世話になりますが、その間、福島市・郡山市・須賀川市を中心に県内約150店舗を開拓しました。



美容業界から幸せにしたい。

-リクルートを退職されて、いよいよ起業家として「株式会社リックリグ」の設立をされますが、まずシェアサロン「ラテ(latte)」をオープンされたのはどうしてですか?

美容業界に関わったことで業界の多くの問題を感じることとなりました。せっかく技術を持っていても辞めるかたがとても多い業界です。理由としては、長時間の勤務や高い収入を得るまでにかなりの時間を要することなどがあると思います。もちろん、これは美容業界に限ったことではありませんが、もうちょっと効率のよい仕組みを作って問題を解消できないか・・と考えました。特に女性は結婚や出産を機に辞めるかたも多いですが、結婚や出産の後、短時間での勤務では採用してもらえずに復職できない方も多くいます。また、高い収入を求めれば独立するという選択肢もありますが、店舗を持つにはかなりの費用が必要となります。また、集客という問題も発生します。そこで思いついたのがシェアサロンです。店舗を提供し、集客についても協力をする。美容師は自分自身の働ける時間でサービスを提供するというシステムです。設備をシェアし集客効率を上げることで美容師が自由に快適に働ける場を提供します。様々な美容師が幸せに働けるサロンを目指しています。しかしながら、良いことばかりではありません。美容師は個人事業主です。技術や接客態度によって収入が大きく変わります。プロとしての技術と接客を追求していただかないといけません。現在は2階フロアでネイルサービスも開始し、エステのブースも準備中です。様々なサービスをひとつの店舗で提供することでお客様の利便性も向上できるかと思っています。今後も働くスタッフおよびお客様の「幸せ」のためのトータルシェアサロンとして拡大していきたいと思っています。



訪問福祉美容サービスで高齢者も幸せにしたい。

-シェアサロン事業以外に訪問福祉美容事業やバルーンウェディング事業なども予定しているようですが?

訪問福祉美容については、元々の目標であった、若者とシニアをつないだ幸せ、若者もシニアと関わることで色々な知識を得て成長してもらいたい、ということについて、今関わっている美容関係で実現できるサービスと思って提案しているものになります。介護施設などにシェアサロンで働く美容師を派遣してサービスを行うことを考えています。色々な介護施設に現状を聞きにいくと、施設によってはボランティアで美容サービスを行ってもらっているところもあることを知りました。もちろん、ボランティアも素晴らしいですが、多くのかたにサービスを提供することは難しいかと思います。シニアの皆さんもオシャレをすることで元気になると考えると、プロを派遣してビジネスとして取り入れていただくことも可能ではないかと思っております。
ほかにも、バルーンウェディングについては、単に、私があるところでバルーンアートを鑑賞する機会があり、感動して事業として考えはじめたものですが、まず、介護施設のイベントにバルーンアートをボランティアで派遣する取り組みをおこなっております。シニアの皆さんも楽しんでいただき、徐々に我々が提供するサービスにつなげていければと思っています。こちらは最終的にはバルーンウェディングドレスとして結婚式等のサービスにつなげていきたいです。



サービスの横展開と10年後の目標に向かって。

-今後の抱負をお聞かせください。

まずは、今おこなっているサービスの横展開をして、より多くの美容師、その他美容業界のかたがたと幸せを共有していきたいです。また、営業部隊やマーケティング部隊を作って実店舗やサービスを拡大していきたいです。訪問介護美容も実現していきたいですし、最近では、シャンプーやトリートメントといったオリジナル商品の開発もはじめました。私自身がアトピー体質で肌が弱いので、私のように肌の悩みを抱えるかたに優しい商品を提供しています。29歳で起業し、40歳となる約10年後までの数字の目標も立てていますが、それは生々しいので今回は控えさせていただきます(笑)。



考えることに疲れないようにする。

-起業を考えているかたにアドバイスをお願いします。

人様にアドバイスというのは難しいですが、自分自身が起業して感じたことは、まず、起業にはある程度の覚悟や気合いといったものは必要かと思います。時には人に厳しいことを言って嫌われたりしなくてはいけないこともあります。また、意識していることとして、「考えることに疲れないようにする」ということがあります。会社を経営していると、どうしても何かを考えることが多くなりますが、考えることに疲れて途中でやめてしまうことがあります。そうすると何も生まれません。考えることに疲れないように心をコントロールし、それでもたくさん考えることで、新しいアイデアなどが生まれます。それを大事にしています。



トータルビューティサロン事業/ブライダルサービス事業/訪問福祉イベント事業

株式会社リックリグ

〒963-8041福島県郡山市富田町字向舘45-1ヒルクレスト6号

TEL:024-995-4771

Mail:info@lyckig.jp

ホームページ:https://lyckig.jp/

代表取締役
古川 和政

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