特集/郡山のコワーキングスペース ~インタビュー~

特集/郡山のコワーキングスペース ~インタビュー~

特集/郡山のコワーキングスペース ~インタビュー~

コワーキングスペースの代表者3人にお話をお伺いしました。


  • 三部香奈三部香奈
  • 山口亜矢子山口亜矢子
  • 岩崎大樹岩崎大樹


郡山のコワーキングスペース

co-ba KORIYAMA

郡山市緑町9-12 三部会計事務所 第2ビル 1階 http://tsukuruba.com/co-ba/koriyama/

 東京渋谷など全国各地でコワーキングスペースを展開している「co-ba」(こうば)のフランチャイズチェーンであり、全国の起業家ネットワークも活用できます。また、税理士、中小企業診断士、社会保険労務士など各専門家に気軽に相談できるなど、特徴のあるコワーキングスペースです。今回は運営元である一般社団法人グロウイングクラウド代表の三部香奈さんにインタビューしました。



設立の経緯 ~人が集い学び合い、新しい創造が始まる街をつくる拠点~

「ここを地元の人たちがワクワクする場所、そしてチャレンジへの一歩を踏み出す場所に」と運営元代表の三部香奈さん。

 そもそものきっかけは仙台市にあるコワーキングスペースを見学させてもらったことですね。そこで起業家さんや若手経営者の熱気溢れる雰囲気にすごく刺激を受けまして、こういう「場」を郡山にも作りたいと思ったのが最初のきっかけです。
 もともとこの場所は三部会計の倉庫として使っていたのですが、せっかく良い場所なので倉庫としてではなく何か利活用方法ないかなという話もあったので、自然とここに作る流れになっていきました。
 そこから、郡山市内の若手起業家さんから渋谷にco-ba shibuya というすごくいい場所があるから紹介したいというお話をいただきまして、三部会計と繋いでもらいました。
 co-ba は多様なチャレンジが集まるということをキーワードとしています。設立の趣旨として「人が集い学びあい、そして新しい創造が始まる街をつくる」。そこに少しでも力になれればという想いを実現する拠点としてオープンさせました。




創業支援活動 ~この場所から一歩踏み出すきっかけを~

ワンフロアのフリースペースにはキッチンやピアノ、卓球台などもあり、色々なカタチのコミュニケーションが生まれる。

 co-ba koriyama 主催では経営の勉強会、グロウイングクラウド主催では話・ダイアログを通して気づきを得るという目的の読書会を開催しています。
 もう1つはコーヒークラッチイングリッシュといって日本人同士で英会話を楽しみましょうというイベントです。
 利用者さん主催のイベントだとこの場所を使って女性向けの創業支援事業:プチ起業カフェというのを開催したことがあります。起業というとハードルが高いですが、自分の特技とか好きなことを活かす「プチ起業」をキーワードにした勉強会だったのですが、そこに参加した女性の方々が「私も何かできるかも」と実感していたのが印象的でした。
 あとは、新しい情報・知識・スキルを身につけたいと思っている方って、今は東京に行って高い交通費を払い高い受講料を払って受けているじゃないですか。そういうのを郡山で受けられるようにしたいな、この場所でできるようにしていきたいなと思っています。




コラボレーション・イノベーションが生まれる場所 co-ba koriyama

駐車場も完備しており、内環状線からのアクセスも良好。ネットワーク会員になれば全国のco-ba が利用可能となる。

 地元の人たちがワクワクする場所、そしてチャレンジへの一歩を踏み出す場所。場所だけではなく、スタッフ・メンバー、そしてここを拠点に活動している仲間と力を結集・協力して、一歩踏み出すきっかけにしてもらうことが役割の1つだと思っています。
 チャレンジして一歩踏み出した人たちには、伴走しながらサポートしていきたいですね。起業したあとにほったらかしではなく、軌道に乗るまで、もしくは軌道に乗った後もずっとサポートしていける存在になっていきたいです。
 そして、色々な人がこの場所でコミュニティーをつくって、そこからコラボレーション・イノベーションが生まれる場所をco-ba koriyama が担っていきたいです。何かにチャレンジしたい人たちっていろんな場所にいると思いますし、そういう人たちが集まる場所、さらには郡山がチャレンジする人がスポットライトを浴びることが出来る街になる。そんな夢を実現したいと思っています。




郡山のコワーキングスペース

Coko コワーキングスペースコオリヤマ

郡山市中町11-3 栄達中央ビル3F http://cws-koriyama.com/

 郡山駅から徒歩3 分にあるコワーキングスペースコオリヤマ「Coko」。その立地条件から、県内外の様々な職業・年代の利用者が集い、連携による大きな可能性を秘めた拠点として2015 年7 月にオープンしました。Coko 代表の山口亜矢子さんに設立までの経緯やこれからの展望をインタビューしました。



設立の経緯 ~新しいモノ・コトを生みだす拠点を目指して~

Coko 代表の山口亜矢子さんは山形出身。震災をきっかけに東京から東北に活動拠点を移し、現在に至る。

 震災後にNPO 法人アイカラー福島で子供たちに向けた防災ハンドブックを作成して全小学一年生に配布したり、県外に避難した親子と県内に残った親子を結ぶ活動などをしてきました。そして震災から4 年目を迎えて、何か新しいモノ・コトを生みだす事業に繋がることはないんだろうかと考えていました。
 東京で働いていたのですが、実家が山形なのでいつか東北に戻ってきたいなという思いをずっと持っていました。個人でもフリーでやってますのでコワーキングスペースがあることで助かる人の気持ちもわかりますから、私が中心になって「みんなでやりましょう」ということで始まりました。いろんな方々とタイミングが合ったことが大きなキッカケ。「Coko」は仕事をする場だけではなく、いろんな講座を受ける場所であったり、自分が実際に講座を開催する場であったり。ロゴは、学ぶ思い、何か始めたいと考えている時の人の顔はこんな感じかなと。そういう思いがロゴの目の部分で表現しています。




創業支援活動 ~次のアクションに繋がるような場の提供~

ワンフロアのフリースペースはちょっとした打ち合わせなどに最適。wifi・電源の利用など必要な設備は完備している

 郡山市との創業支援事業の一環である【ちっちゃいビジネス応援塾】の講師の方は仙台で創業支援を長くやられていて、ご自身も元はIT 関係から始まっているのですが飲食店や旅行会社をやったりということでどんどん幅を広げ、いろんなモデルを見られてきている方なんですね。まずはこの講座で事業を組み立てて次の行動に出れるまでのところをやってみようといったところです。
 ここのコンセプトもそうですが、年齢とか男女というところは全く制限していません。いろいろな活動の仕方があるでしょうし、決してそれが起業に結びつかなくてもいいと思っています。ビジネス塾という名目ですが、かなり敷居を下げた内容にはなっています。
 【Coko 大学】では、この1 年コワーキングスペースを作るのにどうしたらいいだろかと模索している中で出会うことができた方々に講師をお願いし、年間通して幅広い内容の講座を行っていただくものです。




一人でも多く輝けるようなお手伝いが「Coko」の役割

「地域以外の方々の利用も多い場所が様々な出会いや連携をもたらし、新しいビジネスが生まれる」と山口代表は期待する。

 7/1 のオープンから、地域を盛り上げたいと思っている方々との出会いが自然とあるんですよ。駅前という立地もありますし。そういった方々が訪ねてくださって、「駅前に人を呼び戻したい」と地道に活動されている方が要所要所にいらして、その方々がここを使っ連携し、駅前の地域活性に繋がるのであればぜひ協力させていただきたいですからね。
 最終的にはここを使って創業に繋がるような人が出てきてくれれば嬉しいですね。連携することで形になって、一人でも多く輝けるようなお手伝いができればいいいかなと思っています。
 あとは、ここを使うことで日々の生活がイキイキするとか、ここが拠点になることで見えなかった部分が見えてきたりとか、新しい人と出会えたり、自分の生活に何か+αとなるようなことが連鎖的に起きればいいなと。少しずつでも地域が元気になってきたよねとなるような。小さいことからコツコツと進めていきたいです。




郡山のコワーキングスペース

福島コトひらく

郡山市富久山町久保田字下河原191 番地の1 https://www.facebook.com/cotohiraku

 「福島コトひらく」は多様なネットワーク形成とマッチングの場として、次世代を担う人材が育まれるコミュニティスペースです。コワーキングスペースやレンタルオフィスに加え、アイデアをすぐカタチにできるデジタル工房を併設するなど様々なニーズに対応します。今回は運営元である特定非営利団体コースター代表の岩崎大樹さんにインタビューしました。



設立の経緯 ~若者の活動創出、そして仲間づくりをバックアップ~

「社会性の高い課題を解決に導くアイデアやニーズ、そして若者をつなぐ場所にしたい」と運営母体である特定非営利活動法人コースター代表の岩崎大樹さん。

 街づくりや地域課題に若者がもっと関心を持ち、積極的に参画できるよう、2008 年から若者の活動創出の拠点としてのコミュニティスペースを運営してきました。
 その中で、復興や過疎問題、地域活性化などの社会的課題に向き合いたいという思いを持つ地元の若者やI ターン・U ターンで福島に戻ってきた若者が増え、活動拠点の拡充の必要性を感じていました。そして、このたび日本財団の支援を受ける機会を得ることができ、念願の拠点整備・拡充を実現、「福島コトひらく」をオープンするに至りました。
 「福島コトひらく」には、これまでのコミュニティスペース運営の中で必要と感じていたアイデアを随所に反映しました。例えば、美味しい食事とともに活発なコミュニケーションや豊かなアイデアの創出ができるダイニングスペース。利用者同士の交流にもつながるよう薪ストーブや小上がりの畳スペースがある広々としたラウンジ。アイデアをすぐカタチにできるデジタル工房など、「福島コトひらく」ならではのスペースだと思います。さらにコワーキングスペースや会議室・レンタルオフィスなど多様なニーズに対応できます。




創業支援活動 ~ソーシャルビジネスに特化した支援活動~

薪ストーブが置かれ、光が差し込むラウンジは、談話や打ち合わせなどの共有スペースであるとともに、入居者や利用者の交流を生み出す場でもある。

 「福島コトひらく」ではソーシャルビジネスに対する起業支援を得意としています。例えば地域の課題解決に取り組むボランティア活動では仲間集めが活動の拡大・継続に肝心、その先には事業化のステップもあります。最近では助成金等に依存することなく、一般企業と同様にサービスの提供による事業収入で組織運営を行う「事業型NPO」などの選択肢もあり、専門的なノウハウも必要となりますので、1人1人のニーズに沿ったきめ細やかな支援を行いたいと考えています。
 そして、多様なネットワーク形成とマッチングの場を提供することも重要な支援活動と考えています。みんなでワイワイと楽しく食事したりお酒をかわす「福島コトひらく交流会」や、新聞や雑誌を休日の朝にみんなで読みながらコーヒーブレイクする「どようあさかふぇ」など、定期開催イベントを主催しています。このような場を通じて、新しい仲間との出会いや新しいアイデアが生まれ、どんどん若者の活動の輪が広がることを期待しています。




「自分ごと」をひらき、共有し、仲間とともに取り組む場所を目指して

3階の大会議室は広々としたワンフロアの大空間であり、大人数でのワークショップ等に最適。一部壁面を鏡張りにしており、ダンスレッスンなどにも活用できるスペースです。

 自分ごとをひらくことで初めて仲間が見つかる。
 いろいろな「コト」が始まる場所。
 これが「福島コトひらく」のネーミイングに込めた願いです。
 「福島コトひらく」では、一般的なビジネスでの創業支援に加え、街づくりや地域づくりなど公益性の高い事業に取り組む人材育成や仲間づくりも大きな役割を考えています。
 ここ福島県では過疎化や地域活性化など地方都市共通の課題に加え、震災復興や原発問題なども抱えています。その中で若者がもっと積極的に街づくり・地域づくりに参画することが望まれていますが、実際に「自分たちで魅力ある街を」という強い志を持つ若者がどんどん増えてきています。その強い思いとチカラを結び付け、活躍できるチャンスを広げ、より大きな活動につないでいくこと。これが「福島コトひらく」が果たすべき役割だと考えています。ぜひ、この場所からいろいろな「コト」が生まれ、ひらいていき、福島がこれまで以上に魅力的な街になればと思います。

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